CASE

皮膚疾患

皮膚疾患の治療方法・検査方法

治療目的

完治を目指す治療 皮膚の感染症(細菌、真菌、ノミやダニの寄生)の治療など完治がみこめる治療です。完治はできないが、症状の悪化を抑える治療 アレルギーや自己免疫疾患などで、痒みや炎症などを抑える対症療法などです。 皮膚のコンディションを良い状態で維持します。

副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患や、脂漏症やドライスキンなどの体質的な問題を改善した 後、その状態を継続させるための治療です。

 

治療方法

皮膚病は、症状が似ている場合でも原因が異なることが多い病気です。 また、複数の原因がある場合や、二次的にでる症状などもあります。

内服薬

抗菌剤、抗真菌剤、ステロイド、痒み止め、免疫抑制剤など

外用薬

軟膏、スプレー剤、消毒液など

シャンプーによる薬浴

アデルミル、ケラトラックス、マラセキュア、ノルバサンシャンプーなど

注射による投与

インターフェロン、減感作療法、抗体医薬など

サプリメントの投与

アンチノールなど

食事療法

アミノペプチドフォーミュラー、z/d、ピュアプロテイン、ファルミナベッツライフなど

その他

外科的治療法 などがあります。状態や重症度によって最も適した組み合わせで治療をおこないます。 また飼い主さんの希望にあわせて、オーダーメイドの治療を目指しています。

 

検査方法

皮膚掻爬検査

皮膚の一部を鋭匙(えいひ)で削り取り、顕微鏡で観察します。

疥癬(かいせん)、ニキビダニ(アカラス)など、皮膚や毛穴の内部に入り込んで生活する寄生虫を検出するために行います。一度の検査では寄生虫がみつからないことも多いため、感染が強く疑われる場合には、繰り返して検査をすることが必要な場合もあります。

 

 

 

スタンプ検査

病変部にスライドグラスを押しつけ皮膚表面の分泌物や細胞、微生物などを採取し、染色して顕微鏡でみます。

細菌や真菌の感染、異常細胞の有無などを調べます。

 

 

 

 

被毛検査

皮膚糸状菌症や、シラミ、ハジラミなどの外部寄生虫感染などが疑われるときには、被毛を直接顕微鏡でみて感染の有無を調べます。

 

ウッド灯検査

皮膚糸状菌症が疑われるときに行います。ウッド灯と呼ばれる紫外線照射装置で、ある波長の紫外線を病変部の皮膚に照射します。

 

 

 

 

 

真菌培養検査

皮膚糸状菌症が疑われるときに行います。専用の皮膚糸状菌鑑別用培地を使用し、被毛の一部を採取して培養し、真菌の生え方、培地の色の変化で診断を行います。

 

 

 

 

 

細菌培養検査・薬剤感受性検査

細菌感染による皮膚炎が疑われる時に行います。病変部から検体を採取し、培養して細菌の種類を特定します。

また、原因となっている細菌に効果のある抗生物質の種類を特定するために、細菌薬剤感受性検査も併せて行います。

 

アレルギー検査

何らかのアレルゲンに対するアレルギー反応が原因で起こる皮膚炎をアレルギー性皮膚炎といいます。

食事が原因で起こるもの(食事性)、アレルゲンとなる物質の吸引で起こるもの(アトピー性)、アレルゲンと接触することで起こるもの(接触性)などがあります。

皮膚炎の原因としてアレルギーが疑われる時に、原因となっているアレルゲンを特定するために行われるのがアレルギー検査です。アレルギー検査には次のようなものがあります。

 

アレルゲン特異的IgE検査

ハウスダストや花粉といった環境中のアレルゲンを特定するため、現在もっとも一般的に行われています。

IgEは体内でつくられる抗体である免疫グロブリンの一種であり、花粉症、気管支ぜんそく、アトピーなどの?型アレルギーと呼ばれるアレルギー反応に最も深く関わっています。IgEは、それぞれのアレルゲンに対して特異的に作られ、アレルギー反応を起こすという特徴がありますので、どの物質に対するIgEが増えているかを調べることで、アレルゲンとなっている物質を特定することができます。

 

リンパ球反応試験

食物アレルギーにはⅣ型アレルギーが関与しているものが多いといわれていますので、状況等から食物アレルギーが疑われる場合には、アレルゲン特異的IgE検査と併せてリンパ球反応検査を行います。

 

除去食試験

食物アレルギーが疑われる場合、症状が本当に食物アレルギーによるものかを確かめ、また原因となっている食物を特定するために行います。

今まで食べていたフードやオヤツなどを一切やめてもらい、アレルギーの原因である可能性のある食材を一切含まない食事(除去食)のみを一定期間(通常1カ月半〜2カ月程度)与えます。

除去食のみを与えたことで症状の改善がみられた場合、それまでに食べていた何らかの食物に対するアレルギーであった可能性が高くなります。

 

 病理組織検査

自己免疫疾患や腫瘍性疾患が疑われる場合などでは、病理組織検査を行います。

皮膚の一部を円形に採取し組織を調べるパンチ生検を行います。

ただし、局所麻酔もしくは全身麻酔が必要となるため術前に血液検査などの検査も必要となります。

 

ホルモン検査

内分泌(ホルモン)の異常により皮膚の変化がみられる病気には、副腎皮質ホルモン分泌過剰(副腎皮質機能亢進症)、甲状腺ホルモン分泌減少(甲状腺機能低下症)、性ホルモン分泌過剰と減少、成長ホルモン分泌減少などがあります。

このような内分泌性皮膚疾患が疑われる場合は、血液を採取し、血液中のホルモン濃度を測定するホルモン検査を行います。

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