泌尿器疾患に対する各種検査
泌尿器とは血液中の老廃物のろ過、水分の保持や電解質などの恒常性を維持するための”腎臓”、そこで生成された尿を貯蓄するための”膀胱”が主な臓器になります。
泌尿器は犯される部位により症状は様々です。
例えば腎機能が低下すると、毛づやの悪化、元気食欲減退、多飲多尿、嘔吐などの症状がみられます。その他にも、膀胱への病原微生物や結石の存在により、頻尿、血尿や排尿困難など様々な症状を示します。
検査
泌尿器疾患は腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこに原因があるか把握するために総合的な検査が必要です。
1、尿検査
スティック検査:尿の性状を調べます。(タンパク質、pH、潜血、比重、ケトン体、ビリルビン、ブドウ糖)
尿タンパク:腎臓疾患が進行すると、タンパク質が尿中に漏出してきます。
比重:腎機能の低下により尿が希釈され比重が低下します。
pH:食事性や細菌の増殖により変動します。
ブドウ糖:糖尿病などで反応します。
2、尿沈渣
採取した尿を遠心し沈渣を顕微鏡で確認します。
尿中の様々な成分(結晶、円柱、細菌や炎症細胞など)を検出することが出来ます。その結果をもとに、様々な病気を診断し治療の方針を立てていきます。
[結晶] [円柱] [細菌・血液細胞]
3、レントゲン検査
腎臓の形、大きさや膀胱の確認を行います。
また必要性があれば造影剤をいれ、奇形や腫瘍の有無などを調べることができます。
4、エコー検査
腎臓の内部構造や膀胱内の状態、尿管状態などを確認します。
腎臓腫瘍や水腎症などの診断には不可欠な検査になります。
5、血液検査
BUN(血中尿素窒素)、Cre(クレアチニン)、やIP(リン)、カルシウム、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)などのミネラルの数値を確認します。
また、腎臓から出ているエリスロポエチンというホルモンは赤血球の生成に不可欠なもので、腎機能低下に伴い生成が低下すると、貧血を起こすことがあります。
他にも副腎皮質ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌異常によって、泌尿器系に異常をきたすこともあります。