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外科診療消化器疾患軟部外科

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアとは

会陰ヘルニアとは、骨盤隔壁と会陰部の筋肉の脆弱化が主な原因となってヘルニア孔(筋肉間の隙間)ができ、その隙間に便が溜まった直腸や膀胱が入る込むことでお尻周りが膨れあがり、排便排尿困難を引き起こす疾患です。

重度になるとその隙間に腹腔内臓器の膀胱や小腸が入り込み、緊急状態になることもある恐ろしい病気です。この筋肉の脆弱化には男性ホルモンの影響や腹圧の上昇や筋力の低下を引き起こすような病気などが関係していると考えられています。会陰ヘルニアは7歳以上の未去勢犬に多く見られます。

【好発犬種】ミニチュア・ダックスフンド、ウェルシュコーギー、ボストンテリアなど

会陰ヘルニアの手術にはさまざまな方法が考案され実施されています。大きく分けてヘルニア孔周辺の筋肉縫縮、筋肉転移術、総鞘膜転移術(総鞘膜とは精巣を包んでいる膜です)など自己の生体内組織を利用した整復方法と、シリコン製の会陰プレートやポリプロピレンメッシュなどの人工材料を用いて孔を補填する整復方法とがあります。しかし、どの方法を選択しても30~60%程度の再発が生じるといわれています。筋肉の脆弱化は進行性の場合も多いため、再発率を低下させる意味でも手術は出来るだけ早い段階で行うことが望まれます。未去勢の雄犬の罹患が多いので、同時に去勢手術を行います。

実際の治療例

・ポリプロピレンメッシュによる整復術

ミニチュアダックスフント ヘルニアが長期間経過したため、包の下部が自壊しています。

 

・筋肉縫縮・筋肉転移術

シェットランドシープドッグ