CASE

内科診療

てんかん

◎てんかんとは

てんかん発作が繰り返し起こる病気です。てんかん発作は、脳の電気信号が過剰になることで起こります。症状として、体がつっぱって固まる(強直性発作)、全身をガクガク·手足をバタバタさせる(間代性発作)、顔がひきつる、体が弓なりに反る、口から泡をふく、意識を失うなどが起こります。尿失禁や便失禁が起こる場合もあります。

また、発作の最中には、落下などによるケガを防ぐために、動物を平らで安全な場所に移動させて見守ってください。飼い主さんが噛まれてしまうことがあるので、口元に手をやらないようにしてください。

病因による分類

症候性てんかん:脳の病変で起こるてんかん。脳炎、脳腫瘍、脳梗塞などが原因。

おそらく症候性てんかん:症候性てんかんが疑われるが、はっきりしないてんかん。

特発性てんかん:脳の病変が認められないてんかん。若齢(6ヵ月齢~6歳齢)で発症。

発作の型による分類

 焦点性てんかん発作

全般てんかん発作:意識消失をともなう発作。

群発発作:24時間以内に2回以上の全般てんかん発作。

てんかん重積状態:5分以上持続する全般てんかん発作。または、意識の完全な回復なしに2回以上に発生する全般てんかん発作。

◎てんかんの診断

問診:外傷や中毒物質の摂取がないか。

血液検査:発作を引き起こす異常(低血糖、電解質異常、肝疾患など)を評価。

神経学的検査:発作以外の脳の異常がないか評価。

脳MRI検査および脳脊髄液検査:脳の異常を評価。

これらの検査をもとに、「てんかんなのか」、「どのようなてんかんなのか」を診断します。てんかんを引き起こす他の病気(基礎疾患)が見つかった場合には、その病気の治療を優先して行います。

◎てんかんの治療

特発性てんかんや特発性てんかんを疑う場合には、以下の場合に治療を開始します。

·6ヵ月間のうちに2回以上のてんかん発作

·てんかん重積状態あるいは群発発作

·発作後徴候が特に重度(攻撃性や視覚消失)あるいは24時間以上持続する場合

·てんかん発作の頻度あるいは持続時間の増加

薬物治療(抗てんかん薬)の選択肢

·ゾニサミド(コンセーブ、エピレス)

副作用が比較的少ない(鎮静、嘔吐、運動失調など)。長期投与しても問題がでにくい。

·フェノバルビタール(フェノバール)

副作用が問題となる場合がある(多飲多尿、多食、運動失調、肝障害など)。

ゾニサミドが効くまでの短期間(約1-2週間)のみ併用する場合もある。

·ジアゼパム(ダイアップ坐剤)

5分以上持続する発作(てんかん重積状態)の場合のみ、緊急使用する。

·その他(臭化カリウム、レベチラセタムなど)

薬物治療開始後の注意点

·抗てんかん薬による治療目標は、発作の頻度を下げることおよび重症化を防ぐことです。

治療開始後も、すべての動物で発作がゼロになるわけではありません。

·抗てんかん薬は、基本的に生涯にわたる投与が必要です。

·毎日、決まった時間に投与してください。

·発作の記録のために、「発作日記」をつけましょう。

例:いつ(何月何日、何時ごろ)、どのくらい(持続時間)、いつもと違う症状は?

·発作の頻度が増えるようなら、抗てんかん薬の投与量や薬剤の種類を見直します。