SEALING

電気メス・血管シーリング

より高難度の手術を最短、かつ安全に行うために

当院では、最新の電気メス・血管シーリング【エルベ】VIO3/APC3高周波手術装置を導入しております。

主な機能

  • モノポーラ切開…電気メスにより出血なく皮膚の切開が可能
  • モノポーラ凝固…スムーズな止血ができます
  • バイポーラ切開…薄い組織などの切開はこのモードを使います
  • バイポーラ凝固…挟んで止血をする
  • 血管シーリング…最大7mmまでの血管の止血が可能

電気メス・血管シーリングは、様々な手術に使われています

様々な手術で力を発揮する「電気メス・血管シーリング」とは・・・

犬猫の避妊・去勢手術で、血管や靭帯等を糸で結紮する方法の場合、体内に縫合糸が残り、ごく稀にその糸に反応して肉芽腫と呼ばれる塊を作ってしまうことがあります(=「縫合糸反応性肉芽種」の項目もご覧ください)。そこで、当院ではそのようなリスクを最小限にするために血管シーリングシステムと呼ばれるものを導入しています。日常的に行われている避妊手術や去勢手術にも使用しています。

  • 去勢手術
  • 避妊手術
  • 子宮蓄膿症
  • 様々な腫瘍摘出
  • 胆嚢切除・肝臓切除術
  • 脾臓摘出術
  • 腎摘出術

電気メス・血管シーリングを用いる理由・機器の特徴

当院では、日常的に行われている避妊手術や去勢手術にも電気メス・血管シーリングを使用しています。 動物病院ではほぼ毎日のように行われている避妊手術ですが、決して簡単な手術ではありません。健康な動物にメスを入れて卵巣や子宮という内臓を摘出するのです。実際には卵巣は背中側にある臓器ですが、一般的にはお腹側を切開してアプローチします。かなり奥にアプローチが必要になります。健康な体にメスを入れるということは、失敗や後遺症が絶対に許されないということです。もちろん失敗することはありませんが、機械を治すのと違いますし、人間が行っている以上100%の絶対はあり得ません。そんなプレッシャーを感じながら毎日手術を行っていると、できるだけ安全に、短い時間でというのは手術を受ける側にはもちろんですが、術者にとっても非常に大きな恩恵となります。

特徴

  • 手術時間が大幅に短縮され、動物達の麻酔に対する負担が軽減できる。
  • 従来の電気メスと違い、組織に応じてコンピューター制御により自動的に出力を調整する為、最良の切れ味と強い止血力が持続し、高出力が必要ないので、生体への負担が少ない。
  • 難易度の高い手術でも、安全かつ確実な止血・切開手術を行うことができる
  • 動物の体内に糸を残さない手術ができます。(※縫合糸反応性肉芽種を起こすことがない手術を行います。)

※当院では、すべての犬の去勢・避妊手術でVIO3を用いており、血管シーリングシステムの使用においても追加の料金を頂いておりません。

縫合糸反応性肉芽種

好発犬種としてはミニュチュア・ダックスフンドといわれますが、小型犬から大型犬どのような犬種にも起きる可能性があります。術後、数ヶ月後~数年後に、手術部位の近くが腫れてきたり、お腹の中にしこり(肉芽腫)ができたり、皮膚の下に多発的にしこりができ、そこに穴が開いて膿が出たりする病気です。これらは体の中に残った糸に、体が過剰な異物反応を起こすことで起こると考えられています。
主に絹糸の使用をした際に多いともいわれますが、その他の縫合糸でも起きる可能性があります。このような症状が出たら、手術でしこりと残った糸を摘出しなければなりません。また、摘出が不可能なほど癒着している場合はステロイドなどの免疫抑制療法が長期にわたり必要となることもあります。

VIO3を用いた去勢手術(犬)

  • 血管シーリング
  • 精管シーリング
  • 出血のない精巣

VIO3を用いた避妊手術(犬)

  • 卵巣堤索、血管をシーリング
  • 子宮頸管をシーリング
  • 摘出した卵巣子宮

VIO3を用いた避妊手術(猫)

  • 電気メス切開 全く出血がない
  • 卵巣堤索、血管をシーリング
  • 子宮頸管をシーリング
  • 摘出した卵巣子宮(猫)

外科手術では金属製の一般的なメスの他にも超音波メスや電気メス、レーザーメスなど様々なメスが手術に用いられます。 金属メス以外を使うそれぞれ共通のメリットは、金属製のメスと違い切開と同時に止血(凝固止血)を行うことができるのが特徴です。

金属メスで組織を切断すれば当然血管から出血しますが、超音波メスやその他の設備を使用することにより、ほぼ無出血で組織の切断が完了します。 電気メスは生体に高周波電流を流しそこに生じた抵抗による熱エネルギーによって組織の切開と凝固を行う医療機器です。 また最新のシーリング装置が内蔵されており、7㎜までの血管を安全に止血することができます。(糸を使わず止血ができます)

通常、切開→出血→出血部位の圧迫あるいは縫合糸による結紮が必要ですので、それを省くことにより手術全体を通すと手術時間を半分以下に短縮することも可能です。

VIO3を用いた乳腺腫瘍摘出術(犬)

  • 皮膚切開
  • 乳腺組織を切除
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